コラム
column
「トヨタの会議は30分」から学ぶ、
ムダを減らす「サクサク仕事術」
2025年 5月号
新年度が始まってそろそろ1ヶ月。
新しい体制や仕事の流れに慣れてきた頃かと思いますが、「ちゃんとやってるはずなのに終わらない…」
と感じている方も多いのではないでしょうか?
その原因、会議ややりとりを見直すことで解決できるかもしれません。
今回は、「トヨタの会議は30分」から、トヨタの現場で実践されている、
シンプルだけど仕事が驚くほど進む「サクサク仕事術」をご紹介します。
すぐに真似できるヒントばかりなので、ぜひこのゴールデンウィーク前後に取り入れてみてください!
① 会議は「30分だけ」が鉄則!
トヨタでは、会議は基本「30分だけ」と決められています。
日本の会社では1時間の会議が多いけど、30分で終わらせることでムダな時間をなくせるんです。
たとえば、1年で600回の会議があったら、1回30分短くするだけで合計300時間、つまり約2か月分の仕事時間が作れるということ。
時には議論が白熱し、延長が必要な日もあると思いますが、それも30分までと決まっています。
時間に制限があるからこそ、みんなの集中力も上がるし、発言もギュッと本質的に!
さらに、事前に議題を共有しておいたり、会議の最後に次回の打ち合わせ内容を決めておくこともスムーズに進めるコツの1つです。
② 会議中にメモは取らない!
会議中にメモを取る人は多いのではないでしょうか。
会社によっては、メモを取っていないと怒られることもあるでしょう。
でも、トヨタでは会議中は“聞くことに全集中”が基本です。
理由はシンプル!
話を聞きながらメモすると、どっちつかずで内容が頭に入らないことが多いから。
「聞くときは100%聞く」に全振りして、その場で「なぜ?」を繰り返し聞くことで会議の内容をしっかり理解することができます。
内容を理解できていると、記憶にも残るため、メモは会議が終わってからで十分です。
むしろ終わってから、自分の言葉で整理する「思考ノート」としてメモを使う方がいいんだそうです!
③ 上司への報告は“1分”で終える!
上司への確認や承認、けっこう時間が取られますよね。
トヨタでは、そんな場面こそ「1分で伝わる資料」が重要!
A4一枚にまとめた資料を手に、上司が手を止めた瞬間を見計らって「1分だけいいですか?」と声をかける。
この1分で伝わる資料には、こんな構成がベストです。
何の話か → 上司に判断してほしいこと → 結論 → 理由(根拠)→ 補足(必要に応じて)
ちゃんと要点を抑えた資料が作れていれば、短時間でもしっかり話が通じ、即決もしてもらいやすくなります。
④ 会議をうまく回す3つのポイント!
スムーズな会議やプレゼンには、ちょっとしたコツがあります。
それが「口2耳8」「聞き手を迷子にさせない」「目線と声質」の3つ。
まったく話さないのは会議に参加している意味がないし、話し過ぎは聞いている人を置いてきぼりにしてしまいます。
なので、会議では「自分が話すのは2割、相手の話を聞くのが8割」がちょうどいいバランスです。
また、人の脳はわからないことがあると、そこで理解がストップしてしまうので、
そうならないために、自分の考えを言いながら、相手の意見もしっかり聞き、コミュニケーションを取りながら会議を進めるのも
ポイントです。
話すことやプレゼンが苦手なひとは、聞き手の顔を見ず、顎や壁をみて目線を安定させたり、落ち着いてゆっくり話すことに意識を向けてみてください。それだけでだいぶ落ち着いて話せるはずです!
⑤あえて空気を読まない!
職場では、言いたいことがあっても「空気を読んで」黙ってしまうこと、ありますよね。
でも、それって本当にいい仕事につながっているでしょうか?
トヨタの現場では、必要なことは遠慮せずにしっかり言う文化があります。
多少人間関係がギクシャクしても、本音をぶつけて議論することが、仕事の質を高めると考えられているんです。
もちろん、言えばいいってもんじゃありません。
“言っても大丈夫な空気”を見極める力や、言い方の工夫も大事です。
また、感情が高ぶった時は「6秒数える」「席を外す」それでもダメなら「30分寝かせる」。
これも、トヨタ流コミュニケーションの取り方の一つです!
~まとめ~
トヨタの仕事術は、どれもすぐ試せるシンプルな工夫ばかり。
ムダをなくして、本当に必要なことに集中することで、毎日の仕事がぐっとラクになります。
本書には、他にも時短会議術が紹介されていたり、思考術や育成術に関する内容もあるので、興味あるかたは是非一度読んでみてください。
ちょっとした意識の変化で、時間も気持ちも軽やかに!
明日からひとつでも、ぜひ取り入れてみてくださいね。